「アリスをつかまえろ！」


女王の命令一下、トランプの兵隊達が押し寄せてきました。


アリスは行き先も分からないまま夢中で走りました。


「お待ちったらお待ち！首をはねてやるんだからっ」


後ろから女王の声が聞こえてきます。
身震いして、後ろを覗うと、もうすぐそこまで女王達が迫っています。


「出口…出口を見つけなきゃ！」


あせるアリスの目の前に、小さなドアが現れました。
選択の余地などあろうはずがありません。
アリスは手を伸ばすとノブを回しました。


「きゃああっ！」


すんなりと開いたドアの向こうから、トランプの兵隊達が現れて、あっという間にアリスを組み伏せ縛りあげてしまいました。


「いやぁっ、はなして！はなしてったらぁ！」


いくら相手が平べったいトランプでも、多勢に無勢。
そしてアリスはか弱い女の子です。
抵抗もむなしく、手も足もすっかり自由を奪われてしまいました。


「あっはっはっはぁ！捕まえたよアぁリスぅう」
「やだ…許して。許してください、わたし何も悪いことなんてしていないわ」
「悪いことをしていない？それを決めるのは。決めていいのは女王たる！私だけなンだよぅ、アぁリスぅう」


女王の迫力にアリスは心底怖くなりました。
そして、これからの自分の身を案じると、哀しくて哀しくて仕方なくて、涙が溢れてくるのです。


「お願いです女王様、ご気分を害してしまったことは謝ります。だから首をはねないでっ、殺さないでっ、わたしまだ死にたくないっ！」


涙を流しながら懇願するアリスを見て、女王は思案顔。
でもすぐに、迫力のある恐ろしい笑顔に戻って、こう言いました。


「いいともアリス、いいとも。首をはねるのは勘弁してやろう。そのかわりお前は永遠に私のペットになるんだよ」
「！…い、いやよそんなの！解いてっ帰して！ぃ…んむぐぅうっ！」


驚いてかぶりを振るアリスの口に、トランプの兵隊が猿轡をかませます。


「んっ、んーっ！んーっ！」
「んふふふ、おまえの金糸のような髪も、宝石のような青い瞳も、幼い肉付きの肢体も、可愛らしい声も、もう全部私の物に決めたのさ」
「んむぅ、ふぅ、んうンンンっ」


上機嫌な女王の笑い声が、高らかに響く中、縛り上げられたアリスはなす術なく、まるで荷物を運ぶように
トランプの兵隊達にお城の奥深くの女王の部屋へ連れ込まれてしまいました。


「ふむンんぅーーっ！！」



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「んっ、むぅ、むぅう」


アリスは柱にグルングルンに縛りつけられていました。
一生懸命に戒めを解こうとしますが、きつく結わえられた縄も猿轡も外れそうにありません。


「んんん、んん、んっ、んっ」


それでも諦めずにアリスは抵抗します。
どうにかこの忌々しい縄を解いて、逃げ出さなくては。
退屈で退屈で仕方なかったいつもの日々を思い出し、悲しい気持ちになりますが、それを振り払うようにアリスはもがきます。


「んんっ、んんっんんーっ」
「うむん、ふぅくっ、んふンンンっ」


ゆるむ気配のない縄に巻かれ、必死に身体をジダバタさせるアリス。
どころか、そのたびに縄が胸に、腰に食い込んで、衣装を肌けさせていきます。
もうアリスのつつましやかな胸のふくらみが、布きれからこぼれ落ちてしまいそうなほどに、あられもない姿になっています。


「んー、んんうー、くぅふンン、んふっ、くンンっ、んっ！」


暴れ続けるアリスの耳に、コツンコツンと女王の踵の音が聞こえてきました。
アリスの全部が自分の物だと言い張って、こんな所に縛り付けた女王。
一体これから自分はどんな目に遭わされるのか、恐怖を振り払うべく、さらに抵抗を強めるアリス。


「んぐっ、ふぅ、ふっ、んぐぅう、くんっ、ふムぅンンン」
「ふむぅ、すぅ、ううぅ、んぐふぅう、むンくぅううっ！」


しかし縄は緩みません。
そして、女王が